本部からのお知らせ

創立330記念事業(旧宮大・宮崎医科大統合10周年記念講演)

投稿日時  2013/10/22

国立大学法人宮崎大学 創立330記念事業

  表記事業の一環として、下記のとおり旧制宮崎大学・宮崎医科大学統合10周年記念講演会が平成25年10月19日土曜日、15:00~16:30、宮崎市民プラザ、オルブライトホールにて開催されました。

演題 「科学における運――偶然か。必然か?」
“Fortunes in Science ――Fluke or Inevitable Result”
講師 塚本 勝巳<農学博士:海洋生命科学者> 日本大学教授(東京大学名誉教授)

 ウナギ研究の第一人者で、しばしば「世界的ウナギ博士」と称される先生が世界で初めて天然ウナギの卵を北太平洋・西マリアナ海嶺南端部の海山域で採集することに成功し、ウナギの産卵地点をピンポイントで特定し、24年におよぶウナギ産卵場の謎を解明した経緯をユーモアと科学者としての厳しい視点を交えながら解りやすくお話しされ、思わずそのお話の中に引き込まれるという興味深い体験をしました。
研究の特徴は視点を社会科学、自然科学、人文科学の側面から掘り下げられたこと、グリッドサーベイという手法でウナギの幼生である、「レプトセファレス」を採集する地点を定め、その海域を航海しながら生息する微生物の採集に明け暮れました。その過程で、「レプトセファレス」が得られるのがある海山域に集中していることに注目、その近くにウナギの繁殖域があるという仮説を立て、気の遠くなるような採集活動に専念、その粘り強さと信念で、卵に遭遇する確率が非常に低いとされる採集活動を継続された。その結果、孵化直前の卵を採集することに成功し、その後はある程度の確率で卵を採集できるようになったとのことである。この成功の鍵は運の良さか、偶然か、必然だったのか、という疑問を投げかけられた。要は好きであること、好きであれば継続できること、継続すれば何らかの発見があり、達成感が得られ、科学者としての研究欲が出てくるという主旨であった。

 以上が講演の主な内容である。詳しくは講師の書籍を紹介しますので参照していただきたい。
『世界で一番詳しいウナギの話』(飛鳥新社)、『ウナギ 大回遊の謎』(PHP研究社)
『旅するウナギ一億年の時空をこえて』(東海大学出版会 共著)
『ウナギの博物誌』(科学同人 共著)

  引き続き場所を宮崎観光ホテルに移し、大学創立、330記念事業実行委員会、同窓会連合会、各界からの出席を得て記念式典および記念祝賀会が開催された。その席で強調されたことは記念事業を成功させるためには先に依頼した「創立記念事業への寄付について」を更に周知徹底し、ご協力をいただくことが肝要であることとなった。

出費多難の折まことに恐縮ですが、皆様のご協力とご理解を再度お願い申し上げます。専用の振込用紙を使ってご寄附をお願い申し上げます。

  • 式典
    式典
  • 式典
    式典